特定非営利活動(NPO)法人 言語発達障害研究会



 



定例会 開催履歴

( 〜19 20〜29 30〜39 40〜49 50〜59 60〜69 70〜79 80〜89 )


No.89 2023/1/21(Sat) 14:00-16:30
    オンライン(Zoom)
テーマ1:症例報告

風間梨那 (横浜市総合リハビリテーションセンター)

 脳性麻痺による運動障害がありB群音声発信困難の状態を呈した児について、コミュニケーションの評価と支援を行った約2年間の経過について報告します。介入時は身ぶりが中心の限られた発信でしたが、コミュニケーションブックの導入により児の発信手段・内容・機能に変化が見られました。試行錯誤を繰り返した支援内容について振り返り、多くの先生方からフィードバックをいただくことで今後の臨床に活かしていきたいと考えています。

テーマ2:絵記号絵本の紹介

東川 健 (横浜市西部地域療育センター)

 絵本の読み聞かせをしても、お子さんが興味を持たないなどの保護者からの訴えを耳にすることがあると思います。お子さんが、絵本の絵にあった絵記号を選び絵本のページに貼る形にする、絵記号絵本を用いることで、お子さんが絵本をより主体的に楽しめるようになることがあります。今回、「絵記号絵本」の紹介を行い、その意義、使用方法についてお伝えしたいと思います。




発表の概要と参加者の声を掲載しました(PDFファイル 492KB)


No.88 2022/5/14(Sat) 13:30-16:30
    オンライン(Zoom)
領域別訓練プログラム「文字学習〜ひらがな文字を中心とした視覚的記号について〜」

東川 健(横浜市西部地域療育センター)                    
島村広美(横浜市総合リハビリテーションセンター)他、当研究会メンバー

ひらがな文字未学習の段階から、文字単語と絵の結合学習、文字単語構成課題を通しての1音1文字対応の学習など初期の文字学習の支援について述べます。就学前後の年齢のケース、あるいは特別支援学級、特別支援学校在籍のケースを指導対象として想定しています。
話の構成は、以下の内容です。

  1. 文字を含めた視覚的記号の位置づけと支援の考え方、
  2. ひらがな文字学習の基本的な指導手続きについて、
  3. 文字単語と絵の結合学習が進まなかった場合の対応としての、単一文字語(「め」 「て」「もも」など1種類の文字で構成されている語)と絵の結合学習について、
  4. 症例報告においてひらがな文字を含めた視覚的記号の言語・コミュニケーション学習への活用方法についてふれます。



発表の概要と参加者の声を掲載しました(PDFファイル 253KB)


No.87 2022/1/22(Sat) 14:00-16:00
    オンライン(Zoom)
「沖縄本島から400km、リソースが乏しい八重山諸島でトライしたこと」

矢崎真一氏 (ファーストハンドコミュニケーション代表 言語聴覚士)

沖縄県の八重山地域は沖縄本島から400km離れており、日本で最南端かつ最西端の地域です。ここは石垣島・西表島・波照間島(日本最南端)・与那国島(日本最西端)などの島からなっており、その範囲は東西・南北ともに100km以上に及びます。この島に18年前に移住してきたSTが見た地域の課題とこれまで行ってきた取り組みについて報告し、さらにこの地域のこれからについてもお話したいと思います。八重山地域は離島が多く、おとなも子どももリハビリテーションをなかなか受けることができず、少しずつオンラインでの支援を行ってきました。特殊な状況の地域のお話として聞いていただくとともに、同じような状況にある離島や僻地の方の参考に少しでもなればうれしいです。
*ファーストハンドコミュニケーション
通所支援施設の運営などを通じて、石垣市・竹富町・与那国町の子どもたちの発達支援を行っています。

訳 書  『ダウン症の子どもがいきいきと育つことばとコミュニケーション−家族と専門家のための実践ガイドブック−』 リビー・クミン著 梅村浄 他訳 2011.3 メディカ出版
論 文  「地域リハビリテーションワールドへようこそ!」 地域リハビリテーション4巻12号 2009.12
「このままでいいの?と不安になったら−言葉をめぐる7つのQ&A 全体的に発達がゆっくり−ダウン症と言葉」 ちいさい・おおきい・よわい・つよい No.91 2012.12



発表の概要と参加者の声を掲載しました(PDFファイル 426KB)


No.86 2021/5/15(Sat) 13:30-16:30
    オンライン(Zoom)
「<S-S法>の形成について」

小寺富子(言語発達障害研究会)

本テーマについては、既に1995年に一度取り上げ、<S-S法>の形成過程や、<S-S法> の主要な項目(概念)にふれている(言語発達遅滞研究 第2号 11-26,1995)。
最初の、記号-指示内容関係の段階(7段階)と症状分類が1976年に提案され、関係者が言語発達遅滞のよりよい臨床を求めて検討を開始してから、約45年経過した。<S-S法>の形成の歴史とは「STとは何者か?」 STのidentityを知る試みであった。
今回は、検査法の作成(<試案1>の手書きの実施手引き他)、言語理解の段階上昇(事物名称、2語連鎖OV、語順)のための初めての試み、2語連鎖NP(付随行動、昔と今のプログラム、習得順他)、様式(検査から訓練手続きへ、変換他)、記号形式と指示内容に関するトピック、他について、臨床データ・資料も用いて紹介する。これからのST・研究者の方々に、<S-S>法に関わったグループの一人として、熱気をお伝えしたい。



発表の概要と参加者の声を掲載しました(PDFファイル 925KB)


No.85 2021/1/23(Sat) 14:00-16:00
    オンライン(Zoom)
「学習障害への多職種アプローチ 〜当センターにおける試み〜」

梶縄広輝氏 (横浜市総合リハビリテーションセンター言語聴覚士)

当センターでは、学習障害への評価から支援を多職種アプローチ(医師、心理士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカーなど)によって、検討を重ねてきました。言語聴覚士の私から、学習障害の概要、当センターにおける多職種アプローチから学校連携についての試みを、ご紹介させていただきます。

「漢字書字の習得が困難な学習障害児への支援 〜認知処理様式や体性感覚の入力方法などに配慮した学習方法〜」

大西正二氏(横浜市総合リハビリテーションセンター作業療法士)

私は、作業療法士として横浜市総合リハビリテーションセンターに勤務しながら、筑波大学博士後期課程に在籍し、漢字書字の習得が苦手な学習障害のお子さんの支援方法について研究をしています。博士前期課程の研究では、学習障害のお子さんへの漢字書字学習の介入研究を行い、有効な支援方法がわかってきました。この研究結果を基に改良を加え、学習障害のお子さんの苦手な機能を補い、得意な機能を活かして学べるように漢字学習アプリ「Oska Writing」を開発しました。発表では、漢字書字の習得が苦手となる要因から支援方法についてまでを詳しく報告し、開発した漢字学習アプリについても紹介させていただきます。

発表の概要と参加者の声を掲載しました。(PDFファイル約413KB)


No.84 2020/10/31(Sat) 14:00-16:00
    オンライン(Zoom)
「はじめての質問−応答関係検査」

東江浩美(国立障害者リハビリテーションセンター)
知念洋美(千葉県千葉リハビリテーションセンター)

質問−応答関係検査を使ったことがない方、これから使ってみたい方、使っていて聞いてみたいことがある方などに向けて、検査実施のコツについてお話しします。実際の発話例を取り上げながら、結果の解釈について考えます。最後には、検査結果から支援プログラムの立て方について触れたうえで、質疑応答の時間をとる予定です。多くの方のご参加をお待ちしています。

発表の概要と参加者の声を掲載しました(PDFファイル 約2MB)


No.83 2020/1/25(Sat) 13:30-16:30
    国立オリンピック青少年記念総合センター センター棟403号室(渋谷)
報告1「就学前高機能自閉症児のコミュニケーション支援」

八木佑実子 (千葉市療育センター 言語聴覚士)

 千葉市療育センターは、障害児の療育のほか、知的障害者の就労支援、 発達障害者の相談支援、身体障害者の社会参加をサポートする機能を持った地域の複合施設です。私は言語聴覚士として2年半、外来療育相談 に関わってきました。
 今回、高機能自閉症の幼児に対して、個別の言語・コミュニケーションの評価と支援を実施した、約2年間の経過を報告します。介入当初は、 状況理解や他者との会話に苦手さがみられました。しかし、視覚的手が かりを用いて指導を行っていく中で、コミュニケーション行動の拡大がみられました。支援内容について振り返り、多くの先輩方からフィードバックをいただくことで、本事例や類似の事例の臨床活動に還元したいと考えます。

報告2「訪問リハビリテーションを実施した言語発達障害児の訓練経過」

矢作満 (在宅リハビリテーションセンター草加 訪問看護部 言語聴覚士・公認心理師)

 言語発達障害児の支援は病院や発達支援センター、児童発達支援事業 所などを中心に行われています。訪問リハビリテーション(訪リハ)は 主な対象が成人ではありますが、ごく少数、言語発達障害児の支援を行っている施設もあります。訪リハは実際の生活場面で訓練が行えること、家族に送迎の負担がかからないことなどの利点があり、今後多くの訪リハ事業所で実施してもらいたいと考えております。
 訪リハで言語発達障害児の支援を行う制度の概要を報告しつつ、2歳10ヶ月の言語発達障害児に約5年間、訪リハで支援した経過を報告します。

発表の概要と参加者の声を掲載しました(PDFファイル 約1.8MB)


No.82 2019/6/1(Sat) 13:00-16:30
    国立オリンピック青少年記念総合センター センター棟402号室(渋谷)
「質問-応答関係の評価・支援について」

東江 浩美 (国立障害者リハビリテーションセンター)
知念 洋美 (千葉県千葉リハビリテーションセンター)

「質問-応答関係検査」は会話の評価に広く利用されるようになりました。それに伴い、結果をどのように解釈したらよいか知りたい、会話の発達の促進にどのように結びつけたらよいのかを学びたいという意見が聞かれます。
今回の定例会では、質問-応答関係や会話の指導・訓練に関して、基本的な考え方や支援プログラムについてお話しします。教材の紹介や使用方法、手順についても、デモンストレーションや症例を交えてなるべく具体的に紹介したいと思います。
会話は音声言語だけでなく、表情や身ぶり、絵などさまざまな手段を使っての相互理解のプロセスです。子どもとの双方向のかかわりを楽しみながら、質問-応答関係や会話の力を伸ばす働きかけについて、一緒に学びましょう。これから質問-応答関係検査を使ってみたいと思っている方にもわかりやすい内容です。多くの方のご参加をお待ちしています。

発表の概要と参加者の声を掲載しました(PDFファイル 約232KB)


No.81 2019/1/19(Sat) 13:00-17:00
    国立オリンピック青少年記念総合センター センター棟416号室(渋谷)
「保護者支援のための療育的面接の実際 − 面接シミュレーション(面接模擬 実技)を通して −」

佐竹恒夫(言語聴覚士), 療育的面接による保護者支援企画プロジェクト

私たち臨床療育スタッフ(言語聴覚士など)は普段から臨床療育の場で保護者支援および面接を行っていますが,その方法や内容についての相互検討や研修の機会は多くありません。これには面接の方法論や内容に関するプログラムの検討が進んでいないことも一因だと考えられます。
そこで私たちは,2015年11月から「療育的面接による保護者支援企画プロジェクト」を開始し,言語発達障害児者とその家族の日常生活の質(QOL)を向上させるために行う保護者支援および面接について検討を行ってきました。
その結果,面接シミュレーション(面接模擬),保護者支援の過程をシミュレートできる「療育的面接による保護者支援フローモデル」などの方法を開発するに至ったので,今回その一部を公開します。
当日は保護者支援のための療育的面接についての講義と,言語発達障害の症例についてグループで話し合いながら,ゼミおよび面接シミュレーション(模擬実技)を行う予定です。実際の臨床・療育の場で,保護者支援・面接を行っている方々のご参加をお待ちしています。

講演会概要と参加者の声を掲載しました(PDFファイル)


No.80 2018/5/19(Sat) 13:30-16:30
    国立オリンピック青少年記念総合センター センター棟309号室(渋谷)
<S-S法>を用いた昨今の研究動向

川崎 聡大(東北大学大学院教育学研究科人間発達臨床科学講座 准教授)

“<S-S法>”は、国リハ式<S-S法>言語発達遅滞検査を軸とした包括的な評価・訓練プログラムであり、現在、言語発達障害児者の臨床で広く用いられています。講師の川崎聡大氏は、長年、言語聴覚士として言語発達障害児や聴覚障害児の臨床に携わってこられました。
また言語発達障害の評価や指導、読み書き困難に関連する認知機能などに関して幅広く、かつ精力的に研究を続けてこられ、現在は大学院で教鞭をとられています。
今回は、言語聴覚士であり、かつ研究者でもある川崎氏に、語彙のとらえかた、統語発達と通過年齢、社会性発達とことばの関係などについて、<S-S法>を用いた言語発達障害に関する研究の成果をご報告いただきます。さらに障害児教育・支援全体から見た<S-S法>の特徴や今後の可能性にもふれていただく予定です。

講演会概要と参加者の声を掲載しました(PDFファイル)



 



      


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